
初めての挑戦
皆さんは『霧箱(キリバコ)実験』をご存知ですか?
原発事故で、超有名になってしまった放射能
そこから飛び出す放射線を、目で見えるようにする実験です。
わたしが15年やって見たかった実験なのですが、YouTubeを見ると凄い改良されていて、今では少し進んだ高校の理科の実験で、実施されてるみたいです。
⇒『キリバコ 実験』で検索(^_^)G
是非たくさんの皆さんと一緒に挑戦したいと思いましたが、未経験では何かと不安。
そこで、まずは一回やってみようと、いつも当クラブの活動を支えてくれているサポーターの皆さんの協力を得て、挑戦することにいたしました。
霧箱実験って何?
霧箱実験とは、目に見えない放射線を目に見えるようにする実験です。
1911年ごろ、英国の物理学者チャールズ・ウィルソン(1869-1959)が、放射線が飛んだ跡を観察できるように考えたのが始まりです。

目に見えない放射線も、ある冷たい空気の環境をつくると、飛行機雲のように目に見えるようにすることができます。
霧箱の仕組み
容器の中のスポンジにアルコールを染み込ませると、そのアルコールが気化し、容器の中がアルコールの蒸気で満たされます。
容器の下からドライアイスで冷やすと気化したアルコールが冷やされて、過飽和の状態(霧状のアルコールが漂う空間)になり、そこに放射線が通ると白い霧の筋が発生します。
部屋を暗くして横から懐中電灯で照らすと、その筋を観測することができます。

挑戦の記録
日時・場所
日時:2025年8月5日(火)13:00から16:00
場所:ユニコムプラザさがみはら 実験室2
用意したもの
放射線源 | セラミックボール(ラジウム) | ラジウム入りのセラミックボール(風呂用健康グッズとして販売されている物) |
冷却剤関連 | ドライアイス | 厚さ15mm板状の物 |
かき氷器 | ドライアイス粉砕用 | |
保護用具 | 厚手のゴム手袋・プチプチシート | |
容器 | パイレックスガラス容器 | 直径15cm深さ6cm |
プラスチック容器 円形 蓋付き | 直径10cm深さ5cm | |
アルコール関連 | アルコール | 消毒用エタノール500ml |
ポリ洗浄瓶 | アルコール湿潤用 | |
スポンジテープ | 厚さ10mm 長さ1m アルコールに強い素材の物 | |
光源 | 懐中電灯 白色LED | COBパワフルアルミライト |
台座 | 発泡スチロール | A4サイズ 厚み10mm |
黒い紙 | 色付き画用紙 | A4サイズ 黒 厚紙 |
その他 | サランラップ・輪ゴム・ハンマー・カッターナイフ・ハサミ・ガムテープ・ゴミ袋・掃除機など |
着手前点呼

実験の概要説明と「ドライアイスはマイナス70℃以下のため、くれぐれも低温火傷に気を付けて実験を行いましょう!」と注意喚起を行いました。
台座作り

容器を冷やすためのドライアイスを入れる台座を発泡スチロールで作ります。
容器の大きさに合わせて、カッターナイフを使って切り抜きます。
ドライアイス粉砕
かき氷器を使ってドライアイスを細かく粉砕します。
思った以上に硬いので、みんなで力を合わせて頑張りました。
低温火傷をしないように、厚手のゴム手袋を着けての作業です。


アルコールを湿潤

容器の内側にスポンジテープを貼って、慎重にアルコールを浸潤させます。
準備完了
少し大きめのガラス容器と、ひとまわり小さいプラスチック容器で、準備を進めました。


観察開始
部屋を暗くして、観察開始!
しかし、残念ながら放射線は観測できませんでした。
条件を変えて再チャレンジ
しっかり冷却できるよう、ドライアイスは粉砕しないで、塊のまま直接容器を載せてみました。
スポンジテープの位置も工夫し、アルコールをたっぷりと染み込ませてみました。
放射線源のセラミックボールも1個から3個に増量して再度観察開始です。

そして、ついに放射線が飛び出す様子が確認できました!
懐中電灯の灯りが何とも神秘的です。


今回、飛んでいたものはこれ!


アルファ粒子が飛んだ跡を目撃できました。
まとめ
発泡スチロールをカットした際には細いカスが飛び散ったりと、多少のトラブルはありましたが、実験は成功いたしました。
プラスチック容器よりガラス容器の方がしっかりと冷却され、観察しやすいことがわかったことも大きな収穫でした。
サポーターの皆さんにはテキパキと作業いただき、怪我もなく無事完了できましたこと、感謝申し上げます。
放射能と放射線の関係、放射性物質の性質など、まだまだお話したいのですが長くなりそうなので、またの機会にいたしますね。
この経験を活かし、皆さんと一緒に霧箱実験に挑戦するイベントを設けたいと考えています。その際には是非参加してください。